今年度行事 支部活動 学会誌『美術史』 国際交流 研究助成情報 講演録
全国大会 委員会報告 『美術史』論文賞 後援・協賛 要望書・意見表明一覧 

委員会報告
美術館博物館委員会  制度環境整備委員  その他のワーキンググループ

美術館博物館委員会
(旧 科研費対策委員会 2004年1月改称) 
 
  シンポジウム・講演会   内容一覧 こちら  
シンポジウム 2023年4月 美術館・博物館教育のこれまで、これから
(学習院大学北2号棟10階)・Zoomによるハイフレックス方式
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 シンポジウム 2022年3月 美術史が生まれる現場から
Zoomによるオンライン形式
 詳細
シンポジウム 2021年3月 コロナ禍と美術館・博物館
Zoomによるオンライン形式(参加方法については最下部をご覧ください)
※学会員以外の一般参加も可。
 詳細
シンポジウム 2020年3月 美術史が生まれる現場から
 (於:国立国際美術館)
新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止とさせていただきます。
来年度の企画につきましては、今年度の経緯を踏まえて別途検討いたします。
何卒ご理解いただきますようお願いいたします。
 詳細
シンポジウム 2019年3月 美術館・博物館における文化財の「活用」を考える
 (於:根津美術館)
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シンポジウム 2018年2月 大学博物館の現況と展望
 (於:関西学院大学)
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講演会 2017年3月  ミュージアムのサステナビリティ
 ―日本の国立美術館・博物館の財務分析を中心に―

 (於:慶応大学三田キャンパス 東館ホール)
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シンポジウム 2016年4月  境界/ボーダーを越えて
 ─未来の学芸員のために─
 (於:国立国際美術館)
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シンポジウム 2015年3月  裂ける日常、断たれる記憶
 ―福島をつなぐアート/ミュージアム─
 (於:福島県立美術館)
詳細
シンポジウム 2014年4月  ミュージアム連携の現在
 
―連携企画展の可能性―
 (於:大和文華館講堂)
詳細
シンポジウム 2013年4月  震災とミュージアム
 ―そのとき私たちは何ができるのか―

 (於:仙台市博物館)
詳細
シンポジウム 2012年4月  いまどきの新・学芸員
 ―採用の現状と未来―

 (於:大阪大学会館アセンブリーホール)
詳細
シンポジウム 2011年5月  WHAT’S NEW?
 ―リニューアルあれこれ―

 (於:国立新美術館講堂)
詳細
シンポジウム 2010年5月  “伝説”を創る現場
 ─展覧会の可能性を求めて─

 (於:大阪大学中之島センター)
詳細
シンポジウム 2009年5月  ミュージアムをどう評価するのか
 ―学芸員の専門性と美術館・博物館の力―

 於:東京都美術館)
詳細
シンポジウム 2008年5月  学芸員なんていらない!?
 ―学芸員不要論を撃つ−

 (於:大阪市 天王寺公園映像館)
詳細
シンポジウム 2007年4月  学芸員の逆襲
 ミュージアムの過去・現在・未来

 (於:東京都美術館 講堂)
詳細
シンポジウム 2006年4月  検証:国公立ミュージアム
 
官から民へのうねりの中で

 (於:神戸市立博物館)
詳細
シンポジウム 2005年4月  美術館・博物館の新たな公共性を求めて
 指定管理者制度・NPO・地域社会
 (
於:東京都美術館)
詳細
シンポジウム 2004年5月  美術館・博物館はなぜ必要か?
 (於:兵庫県立美術館)
詳細
シンポジウム 2003年2月  美術館・博物館の新たな現状と課題
 学芸員の科学研究費申請をめぐって

 (於:東京大学)
詳細
 

 
  お知らせ 文部科学省生涯学習政策局から、検討協力者会議報告書「学芸員養成の充実方策について」の公開、および「学芸員等在外派遣研修募集」(3月27日募集締め切り)の情報がありましたのでお知らせします。詳細は、各々下記URLをごらんください。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/014/gaiyou/1246188.htm
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/gakugei/1246176
 
  お知らせ 昨年度の博物館法改正の流れを受け、学芸員資格取得要件のひとつである「博物館実習」に関する新たなガイドライン案が文部科学省生涯学習政策局社会教育課より公開されました。
2009年1月26日まで、パブリック・コメントの募集が実施されています。
詳細は下記URLをごらんください。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=185000362&OBJCD=100185&GROUP
(2009年1月17日 掲載)
 
 
 
2008年2月16日 滋賀県立琵琶湖文化館の活動に関する要望書  
2007年5月8日 独立行政法人国立美術館への西洋美術・情報メディアセンターの設置、ならびに同美術館における西洋の近世以前の美術作品収集の拡充に関する要望書  
2006年12月22日 独立行政法人国立博物館と独立行政法人文化財研究所の統合に伴うアーカイブ機能の維持・充実に関する要望書  
2006年4月18日 独立行政法人国立博物館・文化財研究所・国立美術館の事務及び事業の改善に関する要望書  
2006年4月16日 独立行政法人改革 国立美術館・博物館 統合問題リンク集  
2006年3月1日 市場化テストをめぐる基本情報lリンク集  
2006年2月 指定管理者制度とミュージアムをめぐる議論を理解するためのリンク集  
2004年5月 美術館博物館委員会の概要  
2004年5月20日 2003年度の委員会の活動報告  
2004年5月7日 「芦屋市立美術博物館の活動に関する要望書」  
2004年5月 科研費マニュアル  

 
  2002年3月30日 学芸員の科学研究費代表申請資格に関する文部科学省との交渉についての報告  


独立行政法人改革 国立美術館・博物館 統合問題リンク集
国立の美術館・博物館が独立行政法人化して5年。さらなる独立行政法人改革に取り組む政府は、国立美術館(4館)、国立博物館(4館)、文化財研究所(東京・奈良)の3法人の統合を検討。その結果、3法人の統合ではなく、美術館は独立的に存続し、博物館、文化財研究所は統合とする方向となった。2005年の秋から年末にかけては国立の美術館・博物館への市場化テスト導入問題と同時に、この統合問題が検討されていた。その経緯に関する情報リンク集。

Q. 主にどこで話し合いが行われていたのですか?
A. 独立行政法人評価委員会と独立行政法人に関する有識者会議です。
独立行政法人評価委員会
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/dokuritu/index.htm

委員会一覧(文化分科会はページの下方)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/dokuritu/meibo/04090802.htm
 
独立行政法人に関する有識者会議と有識者メンバー一覧(別紙2を参照)
http://www.gyoukaku.go.jp/dokuritsu/index.html
Q. 国立美術館、博物館、文化財研究所の3法人運営の見直しの経緯はどのようなものでしたか?
A. 独立行政法人化した後、5年間という中期目標期間終了(2006年3月末)を前に、
 次の(1)から(10)のように審議を経て、国立博物館と文化財研究所の統合が決定されました。

(1) 2005年8月30日
 
文部科学省独立行政法人評価委員会において、5法人の組織及び業務全般の見直し案について了承
  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/dokuritu/gijiroku/001/05121401.htm
 
(2) 2005年8月末
 見直し案を総務省に提出

(3) 2005年9月8日
 
独立行政法人評価分科会において、文部科学省から同省所管の独立行政法人に係る見直し当初案についての説明が行われ、その後質疑応答が行われました。見直し案についてはウェブ上からPDFで閲覧が可能。
  http://www.soumu.go.jp/hyouka/dokuritu/050908_1.html

 ウェブ上の議事録速報によれば分科会委員から次のような意見がだされています。

  • 国立美術館と国立博物館の業務の基本は、展示業務と収集業務である。類似の業務を行っており、統合しても問題ないのではないか。
  • 国立博物館と文化財研究所については、調査研究業務を別々に行うより、統合して行った方が効率的ではないか。
  • 文化財研究所の黒田記念館は、国立博物館と隣接しており、管理運営を国立博物館に任せることはできないか。また、研究中のため公開を制限しているが、もっと国民に触れてもらうことも考えるべきではないか。
  • 国立博物館における文化財の保存技術と文化財研究所における文化財の保存技術に違いはないのではないか。
  • 経営資源の有効活用を図る上で、グループ経営にメリットがある。財務的に規模が小さくてできないことが、統合して規模が大きくなることで可能になる。人的資源の有効活用についてもグループ経営の方が良い場合もある。こうした観点から法人の統合について検討する必要があるのではないか。
  • 奈良文化財研究所の3展示施設について、地方公共団体に移管することを考えていないのか。研究は必要だとしても展示施設を保有・運営する必要はないのではないか。
  • 国立美術館のような美術教育拠点としての機能は、都道府県・市町村の美術館にもある。地方との役割分担が必要ではないか。

(4) 2005年10月13日 
 
独立行政法人に関する有識者会議(第7回)
  http://www.gyoukaku.go.jp/dokuritsu/dai7/sidai.html
 →ここにあげられている文部科学省提出の文化庁制作のPDF参考文書(資料1)を見ると、文化庁は法人の統合については特に博物館と美術館の統合についてはデメリットを強調し反対している。

この有識者会議における委員意見のポイント(ウェブページ下段)
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/dokuritu/siryou/001/06013004/001/001.htm
  • 国立美術館と国立博物館は地理的に近く、収集・展示という業務の共通性がある。ノウハウを共有するメリットは大きい。また、国立博物館と文化財研究所は共に文化財保護を目的とする法人。文化財研究所の技術を活用することで、国立博物館の文化財保存技術の向上が期待できる。このように3法人を統合すれば、職員の知見の相互交流、業務成果の共有、業務の相互補完・相乗効果の発揮等を通じた業務の質の向上と効率的な組織運営が期待できることから、3法人の統合について、更なる検討を行うことが必要。
  • 効率的な法人運営を図るため、市場化テストの議論も踏まえつつ、外部委託等を進めることが必要。その際は、数値目標を設けて競争入札に取り組むことが必要。また、施設の管理運営業務のみならず本業分野(企画分野等)も含めた幅広い外部委託を検討することが必要。
  • 研究機関である文化財研究所が一般公開施設(展示施設)を管理運営するより、展示等のノウハウが豊富な国立博物館が運営した方がよいのではないか。
  • 次期中期計画において業務改善に取り組む際は、年度ごとの工程や数値目標を明確にして改善に取り組むことが必要。

(5) 2005年10月28日
 政府・行政改革推進本部の独立行政法人に関する有識者会議が「独立行政法人の中期目標終了時の見直しに関する有識者会議の指摘事項」を総理に報告
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/dokuritu/siryou/001/06013004/001/001.htm

(6) 2005年11月14日
 総務省政策評価・独法評価委員会が「独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」を策定し、文部科学大臣に通知
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/dokuritu/siryou/001/06013004/001/002.htm

【勧告の方向性の主な内容】
  1. 国立博物館と文化財研究所の統合
  2. 公務員型の5法人についてはすべて非公務員化
  3. 独立行政法人として真に担うべき事務・事業に特化・重点化

(7) 2005年12月9日
 文部科学省が「勧告の方向性」を踏まえた見直し案を提出
 国立美術館 見直し案
  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/dokuritu/siryou/001/06013004/004.htm

 国立博物館・文化財研究所 見直し案
  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/dokuritu/siryou/001/06013004/005.htm

(8) 2005年12月12日
 総務省政策評価・独立行政法人評価委員会
  http://www.soumu.go.jp/hyouka/seisaku-giji-1735.html

以下抜粋
「平成17年度末に中期目標期間が終了する独立行政法人の見直し案に対し意見を求めることについて」に対する意見(案)に関する説明が行われた後、審議が行われた。その結果、意見(案)のとおり委員会の決定事項とし、政府行政改革推進本部長あてに通知することとされた。

(9) 2005年12月15日
 文部科学省独立行政法人評価委員会(第21回総会)
  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/dokuritu/gijiroku/001/06011803.htm

以下抜粋
平成17年中に中期目標期間終了時の見直しの結論を得る独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」(平成17年 11月14日総務省政策評価・独立行政法人評価委員会)等を踏まえた文部科学省の見直し案について
○ 事務局からの説明があった後、意見交換が行われた。主な意見は以下のとおり。
  • 国立博物館と文化財研究所の統合について、統合するメリットが不明。また、経済効率性のみをもって、日本の文化に関わる唯一の国立の研究所のあり方を決めてしまっていいのか。
  • 文化分科会としては、とりわけ規模の小さい文化財研究所について、研究機関としての自立性を担保する方策を講じるべきであるとの意見であった。
  • しっかりとした評価基準を持って、評価をしていかないと説得力がないので、文化水準の維持向上のための評価法を考える必要がある。
  • 文化が大事だからこそ、効率的でなければいけない。国の財政状況は厳しく、予算の配分にも限界があるので、文化を守るためにいかに効率的にやるかということが大事。
  • 国立博物館と文化財研究所の統合については、前向きに捉えて欲しい。財政的に厳しい中で、独立行政法人がどう持続性を保っていくかの工夫をしようとしている取組だと考えて欲しい。
○ 見直しについては、委員会としての意見はなしとされた。

(10) 2005年12月24日
 政府行政改革推進本部の議を経て、見直し内容決定

市場化テストをめぐる基本情報lリンク集
独立行政法人への市場化テストの導入が決定しました。国立博物館・美術館は今年度は対象外になりましたが、今後も議論は続きそうです。市場化テストをめぐる基本情報を集めました。

●市場化テストとは?
 行政が行うサービスのコストや質が適切か民間との競争入札で比較し、
  民間が優れていれば民間に業務を移管する制度。

◎ 市場化テスト 基本情報

 政府 規制改革・民間開放推進会議「市場化テスト」ウェブサイト
   http://www.kisei-kaikaku.go.jp/market/

◎ 独立行政法人 国立博物館・美術館への市場化テスト導入について
 政府 主要課題改革推進委員会
  
「独立行政法人 国立博物館・美術館に対する当会議からの問題提起」
   http://www.kisei-kaikaku.go.jp/minutes/subject/2005/07/item05_07_01.pdf

◎ 独立行政法人国立美術館 合同ヒアリング調査票
  (規制改革・民間開放推進会議)
  http://www.kisei-kaikaku.go.jp/minutes/wg/2005/0808/item050808_04-01.pdf

◎ 国立博物館・美術館への市場化テストの導入に対する反応
2005/11/09 
学者・文化人が反対要望書 (日経新聞)
物館などの「市場化テスト」に学者・文化人が反対要望書
 官民の競争入札を通じて官業の民間開放と効率化を促す「市場化テスト」の国立博物館・美術館への導入を巡り、平山郁夫東京芸術大学長と美術評論家の高階秀爾氏が9日、小坂憲次文部科学相と河合隼雄文化庁長官を訪ね、導入に反対する声明を手渡した。平山氏は「経済効率だけを追求すれば、文化芸術の衰退につながる」との危惧を表明。小坂文科相は「財政再建は必要だが、合理化には弊害が出ないよう取り組む」、河合長官は「文化が衰退しないよう真剣に努力したい」などと応じた。声明は市場化テストについて「展示が流行追求型になる」「調査研究などの長期的取り組みが軽視される」などと指摘。政府内で検討されている国立博物館、国立美術館などの統合にも「文化施設の多様性が失われる」と反対している。政府の規制改革・民間開放推進会議は独立行政法人の事業効率化の一環として、国立博物館などへの来年度からの市場化テスト導入を提言。テストが実施されれば、美術品の収集や展覧会の企画などが民間に委託される可能性がある。

2005/11/17
「効率性追求による文化芸術の衰退を危惧する」と題した意見書
 それに対する、政府の意見表明。(公表資料のページ内5つめ)
  http://www.kisei-kaikaku.go.jp/publication/index.html

2005/12/20 (毎日新聞)
「市場化テスト:美術館・博物館での06年度実施は見送り」
 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は19日、独立行政法人化した国立美術館・博物館への市場化テスト(官民競争入札)導入について、06年度からの実施を見送る方針を固めた。日本画家の平山郁夫氏や建築家の安藤忠雄氏ら有力な文化人がこぞって反対していることなどから、世論の支持が得にくいと判断した。ただし、導入に向けた議論は06年度も引き続き行う。
規制改革会議は21日、こうした内容を盛り込んだ最終答申を小泉純一郎首相に提出する。答申では「官業の民間開放」の一環として、美術館・博物館の業務を、これまで以上に民間に委ねるよう明記する。ただ、新たに導入を目指した市場化テストについては「更なる質の向上のための検討や工夫を速やかに行う」と記述するにとどめる。政府全体の市場化テストの実績や、国より効率的に運営・管理している地方自治体の美術館・博物館のやり方などを見ながら検討を続ける考え。
この問題では、推進会議側が「質の高いサービス提供には競争が必要だ」と市場化テストの早期実施を主張。これに対し、文部科学省は「文化芸術の振興に市場原理はなじまない」と反対し、真っ向から対立していた。11月3日には平山氏ら文化人38人も「効率性追求による文化芸術の衰退を危惧(きぐ)する」との声明を出した。【坂口裕彦】

・大臣会見(小坂憲次文部科学大臣)
  http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/06010601.htm

抜粋
 「それから、国立美術館・国立博物館を市場化テストの対象にすべきだという指摘については、多くの文化人の皆さんが懸念を表明されましたし、私自身といたしましても、文化財の調査
発掘、そして研究、またそれを展示の企画に活かしていくとい
うようなことは、長期的な計画及び継続性が必要だと思っております。そういった観点からの判断が必要だと思っておりますので、必ずしも今の段階で国立美術館・博物館を市場化テストの対象にするということは、時期尚早であり、まだ環境が整ってないと考えております。そういったことから今回の判断は妥当なものだ思っており、今回の第二次答申の内容は、現在の時点で適切なものであるという認識を持っております。」

2005/12/22
市場化テスト6独立行政法人を対象

官民競争入札等監視委員会設置 (産経)
政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は21日、NHKの受信料制度の見直しなど公共放送の在り方で2006年度早期に結論を出すことや、独立行政法人6法人の業務を、官民で受注を競う市場化テスト対象事業にすることを明記した答申をまとめ、小泉純一郎首相に提出した。22日の閣議で答申内容を各省庁が最大限尊重する方針を決め、3月末の規制改革・民間開放推進3カ年計画改定に反映させる。市場化テストでは、市町村窓口業務や統計調査に加え、東京・お台場の「日本科学未来館」を運営する科学技術振興機構など6独立行政法人を対象とすることにした。ただ今回の答申では、国立博物館、国立美術館が市場化テストの対象から外されたり、農協の区分経理や外部監査導入は見送られるなど、後退感も強く、今後の規制改革会議の在り方が問われそうだ。内閣には「市場化テスト」の本格的な導入に伴い内閣府に官民競争入札等監視委員会も新たに設けることも明らかにした。

2006/01/24 
民間に移籍の公務員復帰可能「特定退職制度」も創設

 公共サービスの担い手を官民どちらがふさわしいか競う市場化テスト法案の全容が23日明らかになった。サービスを民が担う場合の公務員の移籍に備えて「特定退職制度」を創設する。民間で働いても省庁に戻れる仕組みで、退職金の受け取りも不利にならないようにする。省庁を超えた公務員の配置転換を促すことも義務づけ、官業の民間開放の障害を減らす。市場化テストは官と民が入札に参加し、どちらが公共サービスを担うか決める制度。2006年度にも始まる見通しだ。

2006/02/10 
公共サービス官民競争入札の市場化テスト法案を閣議決定

官民競争入札等監理委員会は7月にも発足
政府は10日の閣議で、公共サービスの担い手を官民の競争入札で決める新制度を導入するための市場化テスト法案を決定した。入札を通じて行政サービスの向上とコスト削減を促す狙いで、まずハローワークや社会保険庁、国の統計業務など6つの行政分野で導入する方針だ。政府が年度ごとに対象サービスなどを盛り込んだ「公共サービス改革基本方針」を策定、入札は所管省庁が実施する。内閣府に設置する第三者機関の「官民競争入札等監理委員会」が入札プロセスを監督する。政府・与党は今国会での成立を目指しており、2006年度にも新制度を導入。官民競争入札等監理委員会は7月にも発足する見通しだ。

2006/02/21 日経 社説1 
市場化テストで官業の開放を加速せよ
  http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20060220MS3M2000920022006.html
仕事に精通している公務員を落札企業がそのまま雇用する例も増えると示唆。

◎ 市場化テストに対する考え
・(民側から)日本総研ウェブサイトより
 
「市場化テストの効力と今後の課題」(2004年10月12日)
 村田 丈二(主任研究員 行政マネジメントクラスター )
  http://www.jri.co.jp/consul/column/data/279-murata.html

 
「自治体にも市場化テストの導入を 」
 宍戸朗 (2004/10/15)
  http://www.jri.co.jp/thinktank/sohatsu/pfi_ppp/topics/041015.html

・日経BP 電子自治体ポータルサイト
 
「Vol.75 市場化テスト(官民競争入札制度)」
 *市場化テスト、PFI、 指定管理者制度 の比較表をふくむ
  http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NGT/govtech/20050418/159518/

・(官側)大阪府市場化テスト 事例
 
一般募集の意見に対する大阪府の回答など
  http://www.pref.osaka.jp/kikaku/sijohka/

「独立行政法人国立美術館の「市場化テスト」について」
  国立国際美術館 中井康之
 
 http://www.dnp.co.jp/artscape/exhibition/curator/nk_0602.html

指定管理者制度とミュージアムをめぐる議論を理解するためのリンク集
公立美術館への指定管理者制度の導入が、いよいよ本格化します。新制度への移行期限は今年の9月ですが、多くの自治体が4月から導入します。指定管理者制度をめぐって議論を展開するサイトを集めました。

●指定管理者制度とは?
 地方自治法 第244条「公の施設」に関連する制度。
 「指定管理者制度」というのはこの制度を指す通称。
 2003年6月6日に改正 

◎指定管理者制度の基本理解を助ける記事
・神戸新聞の社説 2004/04/19
  「指定管理者制度/業者選びの能力問われる 」
    http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu04/0419ja25400.html

◎指定管理者制度の文化施設への導入に関する記事
 ・政策空間ウェブサイトより
  「指定管理制度と公立文化施設の運営」
     片山 泰輔(跡見学園女子大学マネジメント学部助教授)
    http://www.policyspace.com/vol13/katayama_taisuke_vol13.html
  「移行後」に考えるべきこと〜指定管理者制度と公の施設の民主化〜
    http://www.policyspace.com/archives/200506/post_378.php

◎官側(労働者側)からの情報発信
・神奈川県職員労組ウェブサイト
  「指定管理者制度」導入問題Q&A
    http://www.kensyokurou.ne.jp/kenkai/siteikanri2.htm  

◎民側(参入企業側)からの情報発信
・文化環境研究所のウェブサイトより (2005/8/15)
  成熟した市民社会が問う「公」の意味−指定管理者制度が炙り出した「民」への不信感−
    http://www.bunkanken.com/column/index.php
 
◎指定管理者制度と市場化テストとの比較を含む情報
・日経BP 電子自治体ポータルサイトより
  「指定管理者制度」
     文・藤田 昭(日立総合計画研究所 新社会システムグループ 主任研究員)
    http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/govtech/20050913/221048/

◎「指定管理者制度」リンク集
・トヨタ・アート・マネジメント ウェブサイト
    http://www.nettam.jp/main/03power/04link/specified_manager/index.html


美術館博物館委員会について
 美術館博物館委員会は、文部科学省による科学研究費分科細目の大幅な見直しに対しする対応を検討し、あわせて、美術史学会員のおよそ3分の1を占める美術館、博物館所属の研究者が科研費の「代表申請」の資格をもたない現状の改善をはかるため、当初、科研費対策委員会として2001年春に出発しました。委員会はこれまで次のような活動を行なってきました。

1.他の関係機関との連携
 2001年5月、科研費の問題に関する他の関係機関との連携について、「美術史学会より日本学術会議への要望書」を提出。あわせて「美術史学会より全国美術館会議へのアピール」を全国美術館会議に提出し、科研費問題への取り組みを呼びかけました。

2.全国の美術館、博物館における研究環境に関するアンケート調査
 美術館、博物館所属の研究者が科研費の代表申請資格をもつためには美術館、博物館が文部科学省の定める「研究機関」として指定を受けることが要件になります。2001年秋、美術館、博物館の研究環境を調査するため、アンケートによる「美術館、博物館の研究活動に関する実態調査」を行ないました。アンケートは、全国美術館会議加盟館、独立行政法人(旧国立美術館、博物館)および大学付属の美術館、博物館等366館を対象として実施され、全体の66.9%にあたる245館から回答がありました。将来、研究機関として認定されることを望む館は133館(61.3%)にも上りました。

3.文部科学省、文化庁との折衝
 2001年8月、「科学研究費補助金取扱規定第2条第4号の機関の指定に関する要項」が定められ、「研究機関」指定の基準が初めて明文化されたました。これをうけ、2002年1、2月、文化庁文化部と、直接の担当部署である文部科学省研究助成課を訪ね、アンケート結果に基づいて作成した要望書「学芸員の科学研究費代表申請資格について」を文部科学大臣に提出しました。結果は2002年4月、「学芸員の科学研究費代表申請資格に関する文部科学省との交渉について」として報告されました。

4.美術館、博物館の研究機関指定
 2002年9月、全国の美術館のなかで「科学研究費補助金取扱規定第2条第4号の機関の指定に関する要項」にのっとった研究機関の第1号として栃木県立美術館が指定されました。次いで、2003年10月に大阪市立東洋陶磁美術館が、2004年3月に神奈川県立近代美術館がそれぞれ研究機関として指定を受けました。

5.シンポジウムの開催(第1回)
 2003年2月22日、全国の美術館、博物館の実情に関する認識を広く共有し、科学研究費の問題を展望するため、シンポジウム「美術館・博物館の新たな現状と課題?学芸員の科学研究費申請をめぐって?」を開催しました(文化資源学会と共催、於東京大学文学部)。今後の課題を幅広く論じて大きな反響を得ました。その議論の内容は『美術史』第155冊に報告されました。

6.活動範囲の拡大
 2004年1月、科研費対策委員会を美術館博物館委員会に改称し、次のような活動を行なうことになりました。
(1)科研費に関する問題を扱う(科研費対策委員会の活動を継承する)。
(2)美術館博物館等に関する諸問題を扱う。
 a.美術館博物館コレクションの保護と公開
 b.学芸員の専門性の確保と研究環境の整備
 c.必要に応じた要望書の作成

7.要望書の提出
 2003年10月、芦屋市立美術博物館を2006年度までに民間に委託し、委託先が見つからなければ売却、もしくは休館するという方針が芦屋市より打ち出されたことをうけ、「芦屋市立美術博物館の活動に関する要望書」を作成しました。要望書は、美術史学会東西両支部の常任委員会の承認を受けて、2004年5月7日、文部科学大臣、文化庁長官、兵庫県知事、兵庫県教育長、芦屋市長、芦屋市議会議長、芦屋市教育長、芦屋市立美術博物館館長にそれぞれ提出されました。

8.シンポジウムの開催(第2回)
 2004年5月8日、芦屋市立美術博物館の民営化・休館問題を全国の美術館、博物館全体の問題として論じるため、シンポジウム「美術館、博物館はなぜ必要か?」を開催し、270名が参加しました(文化資源学会、兵庫県立美津館と共催、於兵庫県立美術館)。今日の美術館、博物館が直面している問題を具体的に論じて反響を得ました。発表要旨は『美術史』第157冊に掲載される予定です。

美術館博物館委員会の活動(平成15年度)
2004.5.20

1.改称と活動範囲
 2004年1月、科研費対策委員会を美術館博物館委員会に改称し、以下の活動を行なうことになった。
(1)科研費に関する問題を扱う(科研費対策委員会の活動を継承する)。
(2)美術館博物館等に関する諸問題を扱う。
 a.美術館博物館コレクションの保護と公開
 b.学芸員の専門性の確保と研究環境の整備
 c.必要に応じた要望書の作成

2.文部科学省科研費申請のための研究機関の指定
 新たに2003年10月15日付で大阪市立東洋陶磁美術館が、2004年3月22日付で神奈川県立近代美術館が「科学研究費補助金取扱規程第2条第1項第4号」の研究機関の指定を受けた。
 「科学研究費補助金取扱規程」は昨年9月に改正され、民間企業の研究施設が研究機関の指定を受けられるようになり、「科学研究費補助金取扱規程第2条第2項」の研究機関として38機関が指定された。従来の「取扱規程第2条第1項第4号」の研究機関に指定された機関は285(平成15年12月3日現在)。

3.要望書の提出
 「芦屋市立美術博物館の活動に関する要望書」(2004年5月7日付)を、文部科学大臣、文化庁長官、兵庫県知事、兵庫県教育長、芦屋市長、芦屋市議会議長、芦屋市教育長、芦屋市立美術博物館館長の8者宛に提出(要望書の内容は別紙参照)。芦屋市長以下4者については同日、現地に赴いて要望書を手渡しし、他は郵送した。

4.シンポジウムの開催
 2004年5月8日(午後1:00?5:30、兵庫県立美術館)文化資源学会、兵庫県立美術館と共催のシンポジウム「美術館・博物館はなぜ必要か?」を開き、270名の参加を得た。

あいさつ:有賀祥隆(代表委員)、木村重信(兵庫県立美術館館長)
趣旨説明:中谷伸生(西支部常任委員、美術館博物館委員)
第1部「美術館・博物館の現状と問題点」 司会:木下直之(東支部常任員、美術館博物館委員)
 報告1「兵庫県立美術館の活動」越智裕二郎(兵庫県立美術館、企画・学芸部門マネージャー)
 報告2「美術館をつかみ取るために」中谷至宏(京都市美術館学芸員)
 報告3「芦屋市立美術博物館の存続について、現状報告」河崎晃一(芦屋市立美術博物館学芸課長)
 報告4「ヒトが主役の『美術館になる』ために」川浪千鶴(福岡県立美術館主任学芸員)
第2部「美術館・博物館はなぜ必要か?」 司会:木下直之(東支部常任員、美術館博物館委員)
 報告5「美術館・博物館が必要なものとなるために」山田諭(名古屋市美術館学芸主査・学芸員)
 報告6「『美術館・博物館はなぜ必要か?』を考えるために」貝塚健(ブリヂストン美術館学芸課長、美術館博物館委員)
 報告7「ミュージアムは世界を変える」吉田憲司(国立民族学博物館・総合研究大学院大学教授)
 報告8「ビジュツ・ハクブツ・カンについての二、三の質問」井上明彦(京都市立芸術大学美術学部助教授)
総合討議 コーディネーター:小勝禮子(栃木県立美術館特別研究員、美術館博物館委員)

2003年度以前

学芸員の科学研究費代表申請資格に関する文部科学省との交渉についての報告
2002年3月30日
美術史学会科学研究費対策委員会

学芸員の科学研究費代表申請資格に関する文部科学省との交渉についての報告

              美術館・博物館学芸員 各位

昨年、学会よりお願い申し上げました「美術館・博物館の研究活動に関する実態調査」に際しましては、ご多忙中にも関わらず、ご協力をたまわり、まことにありがとうございました。

アンケートは、全国美術館会議の加盟館337館に加えて、独立行政法人および大学付属の美術館・博物館366館に対して行い、245館(66.9%)からの高い比率での回答をいただきました。

このアンケートによれば将来、研究機関として認定されることを望むという館は133館(61.3%)に上りましたが、現在、認定されている館は旧国立系などの7館にすぎませんでした。実状とあるべき姿の大きな乖離が浮き彫りとなったわけです。

このアンケート調査に基づいて、去る2月21日、小川裕充代表、太田孝彦西支部代表、太田泰人委員、佐藤康宏委員の4名が、文部科学省の河村潤子学術研究助成課長、岡本和久企画係長を訪ね、アンケートの分析結果およびこれに基づいた学会からの文部科学大臣宛て要望書(「学芸員の科学研究費代表申請資格について」)を提出するとともに、美術館等の学芸員の科研費申請資格について話し合いました。

これに先だって1月30日に小川代表と太田委員は、文化庁を訪ね、遠藤啓文化部長とこの件に関して、予備的な話し合いを行っており、それに基づいた現実性の高い話し合いということで研究助成課長との面談に望みました。

文化庁文化部長も、文部科学省研究助成課長もともに、今日の日本の美術館の発展とその役割の増大は理解しており、科学研究費の問題に対しても、原則として前向きに取り組むとの姿勢を示していました。

しかし、研究助成課長からは、ただしその条件として、1.科学研究費の基本的な性格を理解すること、2.指定学術研究機関に関しては、昨年8月7日付けで新たに「科学研究費取扱規程第2条第4号の機関に関する要項」を定めたばかりであり、当面、この要項を変更する予定はありえないので、その柔軟な運用で対応する以外にありえず、その点の理解を頂きたいとのことでした。

1.すなわち、科学研究費は、(1)研究者が自由に発案・研究することを補助するためのものである(したがって業務命令による研究は対象外となる)ので、機関においてそのことが承認されていなくてはならない。また(2)公的な資金であるので、それを処理するための事務局が必要であり、その意味でも機関としての体制が必要である。

2.科学研究費は本来的には、すべての研究者に平等に門戸を開くべきものではあるが、現実的には、申請された科研費の事務を適切にスピーディに処理するために、申請数を限定せざるをえない。大学等については、設置の基準として、条件が課されている。その他の研究機関についても、それぞれに適切な条件を満たすことが求められる。すでに、平成13年8月7日付けの要項によって、学術研究機関の指定に関しては、これまでよりも条件がかなり緩和されており、文部科学省としても、さらにその運用で柔軟に対応していきたい。

上記のような基本的な説明の上で、研究助成課長との間で、8月7日付要項の「指定の基準」に関して、つぎのような話し合いが行われました。

(1) については、通常、美術館・博物館の設置条例等に調査研究が目的の一つとして、あげられるので問題はないと考えられる。
(2) 研究計画立案の自由については、当然にも学芸員が科学研究費を受け取って研究を行うことに対して、館としてそれを支援する体制が必要である。このことを明確にするために、あらためてそれぞれの館で内規をつくることで、これに対応すればよい。
(3) 研究成果の発表、学会等への参加の自由についても(2) に同じ
(4) 大学設置基準に準ずるが、学部卒、大学院卒が一般的であるので問題はないと考える。
(5) 管理系と独立した研究系の組織が存在していること(学芸課のごとく)が条件である。研究員の人数は問題としない。研究職給料表が適用されていれば問題ないが、研究職給料表が適用されていなくても、職務の規定によって、学芸員の職務が研究系であり、管理系などへの移動がないことが明示されていればよい。つまり、学芸員が行政職である場合、財団法人職員である場合でも、この研究職としての職務規定が提示できれば問題はない。
(6) 常勤の研究者の1/5以上が過去1年間にその原著論文を発表しているという条件は以前より緩和されている。学会誌およびこれに類するものをどのように定義するかは、学問分野に応じて雑誌などの条件を個別に見ていく。自館の紀要は認められないが、他館の紀要、カタログなどであれば認められ得る。自館のカタログは発行の形態など要検討。単行本も可。
(7) ひとりあたりの研究費が国立学校教育研究基盤校費単価の1/2以上という条件については、平成13年度で言えば、ひとりあたり年間34万1千円に相当する。研究費という独立した費目がない場合に、美術館予算の中で何を研究費と見るかについては、申請者の作成した書類に基づき個別に判断していく。
(8) 科研費の管理等の事務が機関の事務組織の所掌事務に位置づけられていることは必ず必要である。

実際の申請に際しては、直ちに申請書を提出するのではなく、文部科学省学術研究助成課に事前に申請を打診し、上記の項
目について条件などを折衝、調整して、そのやりとりの後に正式の申請をおこなうという手順となります。もし、本年秋までに申請が認められた場合には、来年度(平成15年度)の申請も可能になるとのことでした。
学術研究助成課長との話し合いは以上のようなものでした。これらの条件をすべての美術館が満たせるとは考えにくいところでありますが、それが可能となりうるような体制と意欲ををもつ美術館におかれましては、積極的に上記の条件をクリアする体制づくりを行い、機関申請を行って下さることが、さらに他の美術館、博物館に影響をおよぼし、徐々に美術館の研究環境を固めることになっていくものと思われます。また、美術史学会としても、そのようなご努力に対しては、全面的な協力を惜しまない所存です。

なお、文部科学省の研究機関指定に関する文書は、文部科学省のホームページ(http://www.mext.go.jp/)から「研究振興」のページ(http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/index.htm)を開き、さらにそこで科学研究費補助金(取扱規程)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/index.htm
を開いて、入手することが出来ます。


制度環境整備委員会

  お知らせ 22年度科研費について (2009年10月14日 発)
お知らせ 22年度科研費について (2009年10月14日 発)

2010年9月17日 発
2010年9月17日
 美術史学会員の皆様へのお願い
  謹啓
猛暑が去り、ようやく秋めいてきておりますが、学会員の皆様にはご健勝のことと拝察いたします。
すでに平成23年度科学研究費補助金の公募要領が、  
 文部科学省分(特定領域研究、新学術領域研究)    
  http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/1296942.htm
 (独)日本学術振興会分(特別推進研究、基盤研究、挑戦的萌芽研究、若手研究(A・B))   
  http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/03_keikaku/h23_download.html
 (独)日本学術振興会分(研究成果公開促進費)   
  http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/13_seika/keikaku_dl.html
と、それぞれ公開されています。 
つきましては、学会員の皆様の多くが平成23年度科学研究費補助金にふるって応募されますこと、また、美術史学会は平成25年度からの科学研究費「系・分科・細目」の見直し・改正に向けて、「美術史」を単独の細目で立てていただくように、同改正に対する要望書を提出したところですから、申請に際し、研究計画調書の研究種目欄には、分科「哲学」とし、細目は現行の「美学・美術史」、さらにキーワードは必ず「美術史」と明記していただきたく、会員各位にお願い申し上げます。
平成20年度の科学研究費補助金申請時から、同じ「分野」人文学に「分科」芸術学、「細目」芸術学・芸術史・芸術一般が新設されたため、同分科・細目への申請と従来の「分科」哲学および「細目」美学・美術史への申請とに大きく分かれてきており、「細目」美学・美術史への応募件数が減っています。目下、平成25年度科学研究費補助金の「系・分野・分科・細目表」の改定に向けて、文科省および日本学術振興会で検討が開始されていますが、その中で「細目」美学・美術史の見直しが俎上に上がっていると仄聞しています。 
今回の改定は10年に1度の大幅な見直しです。前回の平成20年度科学研究費補助金「系・分野・分科・細目表」の改定の際、見直しに当たっての基本的考え方(平成17年11月24日科学技術・学術審議会学術分科会・科学研究費補助金審査部決定)が公開されています。それによると、[見直しの観点]1.細目の追加・削除には、(1)前回の改正以降の応募件数が著しく増加又は減少している細目であるか (2)学問の進展にそぐわない細目であるか、といった観点が挙げられています。今回の改定によっては、上記の観点に立って「細目」美学・美史が削除されたり、他の分科や細目に統合されたりする恐れがあるため、上記のことをお願いする次第です。 これは、美術史学会の運営を統括する立場から、学会の今後の発展と大学等教育研究機関の学科目としての美術史の存続を視野に入れての個人的なお願いであり、会員の皆様が、申請される研究課題にふさわしい研究種目(分野・分科・細目)を選ぶ自由を拘束するものではないことを付言します。何卒、ご勘案ください。
  謹白

美術史学会代表委員 小佐野重利
  同 西支部代表委員 百橋 明穂

2009年9月9日 発
2009年9月9日
美術史学会員の皆様へのお願い
謹啓
 ようやく秋めいてきておりますが、学会員の皆様にはご健勝のことと拝察いたします。
 すでに平成22年度科学研究費補助金の公募要領が、
  文部科学省分(特定領域研究、新学術領域研究)
   http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/1283496.htm
  (独)日本学術振興会分(特別推進研究、基盤研究、挑戦的萌芽研究、若手研究(S・A・B))
   http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/03_keikaku/download.html
  (独)日本学術振興会分(研究成果公開促進費)
   http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/13_seika/keikaku_dl.html
と、それぞれ公開されています。
 つきましては、学会員の皆様の多くが平成22年度科学研究費補助金にふるって応募され、その研究計画調書の研究種目欄については、できれば「分野」を人文学、「分科」を哲学、「細目」を美学・美術史、「細目表のキーワード」を美術史と記入していただきたくお願い申し上げます。
 平成20年度の科学研究費補助金申請時から、同じ「分野」人文学に「分科」芸術学、「細目」芸術学・芸術史・芸術一般が新設されたため、同分科・細目への申請と従来の「分科」哲学および「細目」美学・美術史への申請とに大きく分かれてきており、「細目」美学・美術史への応募件数が減っています。目下、平成25年度科学研究費補助金の「系・分野・分科・細目表」の改定に向けて、文科省および日本学術振興会で検討が開始されようとしていますが、その中で「細目」美学・美術史の見直しが俎上に上がっていると仄聞しています。
 今回の改定は10年に1度の大幅な見直しです。前回の平成20年度科学研究費補助金「系・分野・分科・細目表」の改定の際、見直しに当たっての基本的考え方(平成17年11月24日科学技術・学術審議会学術分科会・科学研究費補助金審査部決定)が公開されています。それによると、[見直しの観点]1.細目の追加・削除には、(1)前回の改正以降の応募件数が著しく増加又は減少している細目であるか (3)学問の進展にそぐわない細目であるか、といった観点が挙げられています。今回の改定によっては、上記の観点に立って「細目」美学・美術史が削除されたり、他の分科や細目に統合されたりする恐れがあるため、上記のことをお願いする次第です。
 これは、美術史学会の運営を統括する立場から、学会の今後の発展と大学等教育研究機関の学科目としての美術史の存続を視野に入れての個人的なお願いであり、会員の皆様が、申請される研究課題にふさわしい研究種目(分野・分科・細目)を選ぶ自由を拘束するものではないことを付言します。何卒、ご勘案ください。
謹白
美術史学会代表委員 小佐野重利
同 西支部代表委員 百橋 明穂

科研の申請資格について
以下の手順で情報を入手してください。
1. 学術振興会(http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html)「科研費トップページ」→2へ
2. 左コラム「Contents」の「各種目のページ」→3へ
3. 「基盤・挑戦的萌芽・若手(A・B)」→4へ
4. ■平成22年度公募について「平成22年度科学研究費補助金(特別推進、基盤、挑戦的萌芽、若手(S・A・B))公募要領・研究計画調書等のダウンロードページ」→5へ
5. 公募要領・研究計画調書等のダウンロードページ「平成22年度科学研究費補助金(特別推進研究、基盤研究、挑戦的萌芽研究、若手研究(S・A・B))」→6へ
6. 分割ダウンロード「【V応募される方へ 1応募の前に行っていただくべきこと】(11〜16ページ)」PDFファイル→7へ
7. (1) 応募資格の確認
「日本学術振興会の「特別研究員」及び「外国人特別研究員」は応募することはできません。」
「ア 研究機関に、当該研究機関の研究活動を行うことを職務に含む者として、所属する者 であること (有給・無給、常勤・非常勤、フルタイム・パートタイムの別を問わない。また、研究活動以外のものを主たる職務とする者も含む )。」
※常勤の所属機関のない場合でも、非常勤先の機関を通じて研究者番号の取得が可能です。詳細は非常勤先の機関にお問い合わせください。


 その他のワーキンググループ

国家補償問題
 ワーキンググルーブ
美術品の国家補償制度の設立に対する意見表明 (2010年5月13日 発)

国家補償問題ワーキンググルーブ 
2010年5月13日 発
 ○ 美術品の国家補償制度の設立に対する意見表明
平成22年5月13日
文部科学大臣 川端 達夫 殿
文部科学副大臣 中川 正春 殿
文部科学副大臣 鈴木 寛 殿
文部科学大臣政務官 後藤 斎 殿
文部科学大臣政務官 高井 美穂 殿
文化庁長官 玉井 日出夫 殿
美術史学会
代表委員 小佐野重利
美術品の国家補償制度の設立に対する意見表明
 美術史学会は、1949年創設以来60年にわたり学会員相互の連絡を図り、その全国的な協力によって美術史学の発展に寄与することを目的として、さまざまな学術的事業を展開している。この間、美術史研究の順調な進展に伴い、2,486名の会員を擁する人文系有数の学会に成長した。その中には、現在、国公立、並びに私立の美術館・博物館等に学芸員として勤務する会員は約3分の1を占め、また勤務経験のある会員、さらに将来美術館・博物館への就職を希望する大学院生会員を併せると優に1000名を超える。
本学会の事業の柱の一つとして、会員の研究環境の均等化およびその改善整備に努めている。会員の多くが研究および職務上深く関与する我が国の美術館・博物館における作品収蔵管理・展示企画および運営の高度化に寄与することはもとより、学芸員の研究環境・待遇の変化に対しても、毎年シンポジウムを開催して、状況把握と改善策の検討に取り組んでいるところである。
さて、本学会規約には、美術史学の研究者共同の便宜利益を図るための社会的活動が挙げられているところから、その活動の一環として、学会は特別に「美術品の国家補償制度に関する検討ワーキング」を設置し、文化庁をはじめ諸方面で行われている議論を検討した上で、今回の意見表明に至った。
本学会は、美術作品や作家など美術全般について研究することを目的とし、その成果を社会に還元する責務を負っている。そもそも美術館・博物館における展覧会は、単なる催事事業ではなく、美術に関する研究活動の成果を社会に広く周知する機会である。我が国における研究成果は、広く世界の美術館などの研究機関に発信され、また諸外国での研究が我が国の研究の発展に寄与することも多く、国際的な学術交流が行われている。こうした学術交流を推進する展覧会事業を国際的規模において行うことを支える基盤として、すでに先進国の多くは国家補償制度を導入しているところである。この制度は、美術品の国際間での貸借・移動を容易にし、また世界的な巡回展の開催を促進している。国際的な潮流に鑑みるならば、文化立国を標榜する日本においても、国家補償制度が設立されることは必須要件である。
また、文化芸術振興基本法第一章第二条第3項に「国民がその居住する地域にかかわらず等しく、文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるような環境の整備が図られなければならない」と謳っている通り、展覧会の受益者が国民である以上は、国立、公立および私立の別を問わず、国内の美術館・博物館で開催されるあらゆる展覧会の主催者が、この制度の適用に申請する資格を有するようにするべきである。
なお、その適用審査に際しては、大都市で開催される大規模な展覧会だけでなく、国民の美術鑑賞力を育むという教育目的からも、研究成果の公開を目的とした学術的・文化的意義を持った展覧会をも積極的に採用するべきである。
以上の観点より、美術史学会は美術品の国家補償制度の早急な設立と公正な審査方式の策定が望ましいと考える。

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